乳腺外科のイメージ画像

当クリニックでは、乳がん、線維腺腫、乳腺症、乳腺炎など、乳腺のすべての病気に関する診断と治療を行っています。特に乳がんは、日本では患者数が急激に増加している病気です。2014年には日本の女性のがんにおいて、大腸がんを抜いて第一位となっています。しかし適切な治療により90%が完治します。だからこそ、早めの診療や定期的な検診が重要です。
また、良性の病気も乳がんと似た症状(しこりなど)を呈する場合もありますので、その見極めも重要です。

以下のような症状がありましたら、自分で判断してしまわず、早めに当クリニックをご受診することをお勧めします。

  • 乳房を触った時に、皮膚の下に硬いもの(しこり)が感じられた
  • 同じように脇の下を触った時に、皮膚の下に硬いもの(しこり)を感じた
  • 乳房にへこみやひきつれがある。
  • 腕を上げると乳房に突っ張った感じがする。
  • 乳頭が陥没している。
  • 乳頭から分泌液が出た
  • 乳頭がただれている。
  • 乳房の皮膚の色が変化している。赤く腫れている。
  • 乳房の皮膚にがさつきがある。
  • 乳房に左右差がある。

※上記症状以外や乳がん検診を受けたいという方、また、乳がん手術を受けた後の経過観察をしてほしいといった方もご相談ください。

検査について

検査については、ほぼ全員の患者様にマンモグラフィとエコーを施行し、適確な診断をしていきます。

マンモグラフィ
乳房を上下、斜めから圧迫し、レントゲン撮影をします。乳がんの場合、いびつな形のしこりの影や、砂を散らしたような微細な石灰化の像が映ります。ただし、若い女性の場合は、乳腺の濃度が高い状態である事が多く、マンモグラフィだけでの有効性が低いと言われているため、エコー検査との併用が望ましいです。
超音波検査(エコー検査)
皮膚の表面から超音波をあてて、組織からの反射波を測定し、検査する方法です。しこりの大きさや周囲のリンパ節への転移があるかどうかも調べることができます。がんによるしこりの場合、形がいびつだったり、境界があいまいであったりします。
組織診・吸引型生検
上記の検査で乳がんの可能性が疑われた場合、エコーガイド(超音波で病変を見ながら)で針を差し込み、吸い込みながら針の中に組織を採取し、その組織を検査します。局所麻酔下にて行います。
CT・MRI検査(近隣病院と連携して診療していきます)
乳がんであることが判明し、その治療方針を決める際に乳房内でのがんの広がりなどを確認するために、X線を用いたCTや、磁気を用いたMRIの検査を行います。

乳がん

乳がんは女性がかかるがんの中では最も多いがんです。一方、女性のがんによる死亡者数の中で、乳がんは5番目になっています。つまり乳がんはかかってしまったとしても、最も治りやすいがんであると言えるでしょう。
また乳がんは、20歳未満でかかる人はとても少なく、年齢が高くなるにつれ罹患率が高まり、40~60歳代で多く発症します。70歳以上でもその数は大きくは下がりません。これらのことから乳がん検診は40歳以上の女性に勧められ、各自治体などでも推進されています。

乳房は脂肪組織の中に乳汁分泌を行う乳腺があり、乳腺は乳汁を作る「小葉」という器官と小葉と乳頭をつなぎ、乳汁の通り道となる「乳管」で成り立っています。乳がんは乳房に発生する悪性腫瘍のことですが、乳がんの約9割は乳管から発生する「乳管がん」です。この他、小葉から発生する小葉がんや、腺様嚢胞がんなどがありますが、ごく少数にとどまっています。ちなみに非常に稀なケースですが、乳腺が発達していない男性も乳がんを発症することがあります。

乳がんの原因は、はっきりとは不明ですが、特にエストロゲンという女性ホルモンが危険因子の一つとして考えられており、このホルモンが乳腺組織に作用する期間が長いほど、乳がんが発生しやすいとされています。他にも遺伝的要因や、生活習慣の影響も危険因子となると考えられています。そうしたことから、以下のような女性が乳がんに罹るリスクがあるとみられています。

  • 出産経験がない・少ない
  • 初産が30歳以降
  • 近い血縁に乳がんに罹った人がいる
  • これまでに乳がんに罹ったことがある(再発以外にも新たな乳がんのリスクが高い)
  • 初潮年齢が低い
  • 閉経年齢が遅い
  • 肥満傾向が強い

あくまでデータ上のリスクです。上記に該当しなくても乳癌になる患者様は多数います。

乳がんは早期の段階では乳房内にしこりが生じますが、他には特に自覚症状がなく、進行すると、皮膚に潰瘍が出たり、血性の乳汁分泌がでたり、脇の下のリンパ節への転移がみられるなどの自覚症状が出るため、自覚症状に気づいて発見したときには、すでに進行してしまっていることも少なくありません。

その一方、乳がんは他のがんと比べても、化学療法(薬物療法)や放射線治療の効果が高いとされています。ですので、早期発見、早期治療により、その後経過も良好となることが期待できます。40歳を過ぎたら、定期的に乳がん検診を受けることをお勧めします。

線維腺腫

線維腺腫は10代後半~30歳くらいまでの女性にみられる「しこり」で、乳腺から発生しますが、乳がんとは異なり、良性のものです。線維腺腫のしこりは、乳がんのものと比べて硬くはなく、弾力性があり、ごつごつといびつな形を感じることもありません。また触るところころと動くのも特徴です。また、片側の乳房だけではなく、両側に診られる場合もあったり、複数個出現することもあります。

線維腺腫の診断において大切なのは、乳がんとの鑑別になります。しこりを自覚した場合、上記のような特徴はありますが、自己判断せずに、早期のご受診をお勧めします。

乳がんとの鑑別では、超音波(エコー)、およびマンモグラフィによる検査を行います。これにより、しこりの状況を確認することで、ある程度判断することは可能ですが、疑いがある場合はしこりの部分に針を刺して組織を採取し検査する、組織診を行う場合もあります。

乳房のしこりが線維腺腫と確定した場合は、基本的には経過観察となります。半年~1年に1回程度、超音波(エコー)検査を行うのが良いでしょう。しかし、非常に大きくなった場合や希望があれば手術で切除、もしくは吸引で切除してしまう事も可能です。

線維腺腫は女性ホルモンと深い関係があるとされ、女性ホルモンの分泌が活発な思春期以降に発症することが多く、妊娠期間中も、しこりか大きくなったりします。閉経後にはホルモンの分泌が減少することで、しこりが小さくなったり、消失する事もあります。

乳腺症

乳腺症とは、乳腺に生じる様々な変化の総称と考えてよいでしょう。しこりや痛み、乳頭からの分泌などが主な症状となります。30~40歳代の女性に多く見られる良性疾患で、ホルモンバランスの崩れによるものと考えられています。

女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量は、常に体内で一定ではなく、月経周期や妊娠期間によって大きく変動します。この変動に応じて乳腺も変化します。その反応が強すぎると、しこりや痛みを生じると考えられています。ですので、月経前に症状が重くなり、月経がはじまると症状が収まってくる傾向があります。

乳腺症に関しても、超音波(エコー)などの検査で乳がんとの鑑別を行います。悪性でなく、痛みなどの症状が軽い場合は、経過観察となります。鑑別が難しく、悪性(乳がん)の疑いが残る場合は、組織診を行う場合もあります。

乳腺症と確定した場合、特に治療は行わず、経過観察となります。しかし、乳腺症によるしこりがあると、万が一乳がんを発症した場合、それに気づきにくくなってしまいます。そのため、定期的にマンモグラフィによる検査を受けることをお勧めします。

乳がん検診

欧米では早くからマンモグラフィを用いた乳がん検診が一般的に行われており、乳がんの死亡率低下につながっていました。日本では2000年から50歳以上、2004年からは40歳以上の女性に対し、2年に1度のマンモグラフィと視触診による検診を行うというガイドラインがが出されていますが、理想的には年1回のマンモグラフィとエコー検査が望ましいでしょう。

当クリニックでは、随時乳がん検診を実施しています。自治体による検診や企業健診も受け付けています。一般の方の定期検診も可能です。

参考

乳がん検診・乳腺ドックの内容は以下の通りです。

  1. マンモグラフィ
    乳房を板で挟んで行うレントゲン検査です。触診では発見の難しい初期のがんを見つけることができます。(→検査について)
  2. 超音波検査
    乳房に超音波をあて、組織による反射を利用しモニターに画像を映し出して診断する検査法です。
    放射線を使わず、妊娠中の方も安心して受けられます。(→検査について)
  3. 医師による視診・触診
    医師が乳房と乳首にくぼみや引き連れがないか観察します。
    また乳房、脇の下、首のリンパ節にしこりの有無を触診により診察します。(希望により行わないことも可能です)
森クリニック
院長
森 克昭
日本乳癌学会指導医・乳腺専門医
日本消化器病学会指導医・専門医
日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
診療内容
乳腺外科、内科、消化器内科、一般外科、肛門外科、乳がん検診、胃カメラ、風邪、咽頭炎、貧血、頭痛、生活習慣病、糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風(高尿酸血症)、痔・肛門疾患、健康診断、人間ドック、予防接種(各種ワクチン全般)
最寄駅
・東海道本線「高塚」駅より(徒歩約17分)・【遠鉄バス】志都呂宇布見線「入野西」停下車(徒歩約3分)
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